2021年9月19日 聖霊降臨後第17主日(特定20)

主よ、私の岩、私の贖い主、私の言葉と思いが御心にかないますように

先週の17日に告示されました自民党総裁選挙は、自民党内の投票となりますが、自民党総裁はそのまま総理大臣となりますので、決して私たちと無関係ではありません。総裁選に立候補されたのは、野田幹事長代行、岸田前政調会長、高市前総務相、河野規制改革相の男性2人、女性2人です。特に初の女性総理を目指す候補者の一人、野田聖子議員は「女性、子ども、高齢者、障害者が、しっかりと社会の中で生きていける保守の政治を作りたい」と言われ、社会的な少数派である「小さなもの、弱いもの」を大切にする政治を掲げています。言葉だけで終わってしまわないでいただきたいのですが、特に高齢化社会の中で、社会的弱者と呼ばれる富や力もなく、痛みや苦しみを背負って生きている人々も日々、喜んで生きられる社会の実現を新しいリーダーには期待したいものです。

本日の福音書、マルコによる福音書9章30節から37節では、イエス様と弟子たちの会話が記されてありました。ある日、カファルナウムの町にやって来られたイエス様は、道中、「誰が一番偉いか」と言い争っていた弟子たちに、偉い人とは一体どんな人であるのかということを教えられました。「いちばん先になりたい者は、すべての人の後になり、すべての人に仕える者になりなさい。」

化粧品大手の資生堂の池田守男元社長は1936年、香川県高松市で生まれました。18歳で洗礼を受け、クリスチャンとなり、牧師になるために東京神学大学に進みましたが、卒業後は、牧師の道を進まず、1961年に資生堂に入社します。社長となったとき、彼に与えられた使命は、会社を変革することでした。今までの会社経営では先が見えているという中での大きな改革であったのです。彼は聖書の言葉、イエス様の姿勢から「サーバント・リーダーシップ」を考案し、実践して見事に使命を果たし、現在の資生堂を作り上げました。サーバント・リーダーシップとは、奉仕の精神を通してチームとしての社員の賜物を引き出し、活かし合うというマネージメントの手法ですが、まさにイエス様のみ言葉の通り、「仕える者」の視点に立った行動が、社会において良き実りをもたらした証拠です。

明日は敬老の日です。厚生労働省の調べでは、2021年の今年、100歳以上の方は8万6,510人おられ、過去最多だそうです。これは世界的にも日本社会が長寿の恵みを受けられる良い環境にあることを示しております。本来ならば、教会で長寿の恵みを受けられた方々のためにお祈りし、お祝いしたいところですが、残念ながら緊急事態宣言の延長により教会に集うことができません。しかし、私たちの祈りは止まることはありませんし、神様からの恵みもまた止むことはないのです。教会では、今年75歳以上の信徒の方々を覚えて神様に感謝し、ご健康と祝福をお祈りいたします。いつ収束するか見えないコロナ禍にありますが、神様のみ恵みに支えられ、最強の神様の支えによっていつも信仰による喜びを持つ者でありたいと思います。

聖ヤコブは、本日の使徒書では、聖霊の賜物を与えられている私たちに、神様はさらに豊かな恵みをくださることが教えられていますので、最後にそのみ言葉に心を傾けたいと思います。

「神はわたしたちの内に住まわせた霊を、ねたむほどに深く愛しておられ、もっと豊かな恵みをくださる」ヤコブの手紙4章5、6節