2021年8月22日聖霊降臨後第13主日(B年・特定16)

主よ、わたしの岩、わたしの贖い主、わたしの言葉と思いがみ心にかないますように アーメン

皆さんも新聞・テレビでご存じの通り、先週の金曜日、8月20日から来月12日の日曜日まで兵庫県に4度目の緊急事態宣言が発令されました。これで先に出されていた東京・大阪を含む13都府県が対象地域となりますが、今後、感染が日本中に拡大するのか、それとも収束していくのか、まったく予測できません。2回のワクチン接種された方の中には安心されておられた方もあったかもしれませんが、それもほんの一時となってしまったようです。感染者数が減少し、安堵したのもつかの間、また増大し、緊急事態宣言が出る、この繰り返しが続くたび、人類史上の最高の英知を誇る最先端の医療技術をもってしても完全に克服できないコロナウイルスに恐怖と不安を感じてしまいます。その一方で、緊急事態宣言下にあって行政の自粛要請に従えない商店や人々が、昨年の発出時よりも増えてきていることも事実です。コロナ疲れやオリンピック開催なども関係していると言われていますが、日々、過去最高の感染者数が更新され続けている中で、なお、人の流れは止められず、首相の歯切れの悪い発言や政府の不手際な政策が批判されていることも空しく感じてしまいます。そして、そうした国民の失望感は、内閣の支持率の低下に見ることができます。

本日の福音書は、ヨハネによる福音書6章60節から69節まででしたが、イエス様の発言に失望した弟子たちのつぶやきから始まっています。イエス様は、貧しい民衆に無料で食事を提供し、病人を癒して神の国について語られました。そのため多くの人はイエス様に従い、12人の他にも大勢の人が弟子になりたいとイエス様の下にやってきました。けれども、イエス様が言われた言葉につまずいてしまいます。「はっきり言っておく。人の子の肉を食べ、その血を飲まなければ、あなたたちの内に命はない。」

この言葉は先週の福音書にありました。イエス様が人の子の肉を食べ、その血を飲まなければ真の命はないと言われた言葉をそのまま受け取った多くの弟子は「なんと野蛮で恐ろしいことを言うのか」とイエス様の教えに恐れをなして逃げ出してしまいます。もちろん、この肉と血とは、パンとぶどう酒であり、聖餐式を指しています。そして、その意味もイエス様に養われ、キリストに従う者はキリストに連なり、体の一部となることを意味しているのです。

なぜ、私たちはキリストに連なる必要があるのでしょうか?それは私たちが不安や恐れを感じる者であるからです。言葉では言い表せられない困難に出会うとき、私たちは不安と恐怖を感じます。けれども、私たちが神様に連なるとき、変わることのない安心、ゆるぎない平和を得ることができるのです。神様を信じることの喜びは最強の神様と共にいると言う信仰によるのです。

最後に聖パウロは、本日の使徒書の中で、人間関係について教えていますので、最後にそのみ言葉に心を傾けたいと思います。

「わが身を憎んだ者は一人もおらず、かえって、キリストが教会になさったように、わが身を養い、いたわるものです。わたしたちは、キリストの体の一部なのです。」エフェソの信徒への手紙5章29、30節