2021年5月2日 復活節第5主日(B年) 

主よ、私の岩、私の贖い主、私の言葉と思いが御心にかないますように

3度目の緊急事態宣言が出されて1週間が経ちました。せっかくのゴールデンウイークですが、どこにも出かけずに「ステイホーム」もストレスが溜まってしまう方もおられるかと思います。コロナ禍の中、世の中は空前のキャンプ・ブームだそうです。感染の可能性のある人込みを避け、大自然の中で、焚火の炎を見つめながらリラックスするのが良いそうです。しかし、そのためにキャンプ場は大勢の人が押し寄せていると言う皮肉な話があります。

本日の福音書はヨハネによる福音書14章15から21節でした。受難と死を迎える直前、イエス様は弟子たちに遺言とも言える言葉を語られました。それはイエス様の代わりに「霊」が天から遣わされるというものでした。「聖霊」神様の霊のことですが、この聖霊の存在でキリスト教の神様がややこしくなりました。つまり、三位一体の神様です。父なる神様、子なる神・イエス様、そして、聖霊なる神様と3人の神様ではない唯一の神様という実に理解困難な信仰が生まれたのです。

「聖霊って何ですか?」と聞かれることがあります。聖書の最後にある「用語解説」には「聖霊は弁護者と呼ばれ、いつまでも弟子たちと共にいてイエスを証しし、弟子をあらゆる真理に導いてくださる」と書かれています。この説明は今日の福音書から書かれたようですが、ご復活されたイエス様が天に帰られた後、イエス様の代わりに人々に聖霊が与えられることが教えられています。

聖霊とは、聖なる霊ですから、神様の霊であり、悪霊や幽霊とは違う良い霊、清い霊と言えるでしょう。さらに「霊」は、旧約聖書では「息」「風」と訳されています。つまり、息や風のように目には見えないけれども感じられるもので、神様の力が宿っているものです。例えて言うならば、人の心を癒し、励まし、勇気づけ、安らかな気持ちにしてくれる、そんな5月の風のような存在ではないでしょうか。キャンプ場でなくても、ベランダに出て、心地よい5月の風を感じるとき、神様の霊「聖霊」がいつも私たちと共におられ、良い風を吹かせてくださることを感謝したいと思います。

本日の使徒言行録で、弟子のフィリポから受洗したエチオピアの高官が聖霊の恵みを受け、喜びの内に生きることができるようになった様子が記されていますので、最後にそのみ言葉に心を傾けたいと思います。

「宦官はもはやフィリポの姿を見なかったが、喜びにあふれて旅を続けた」使徒言行録8章39節