2019年3月31日(日)高松聖ヤコブ教会にて。最後の聖餐式後。中央が角瀬司祭。

角瀬司祭へのインタビュー

第四回 司祭ヨハネ角瀬克己
生年月日 1948年(昭和23年)10月16日
出身地  神戸市須磨区

 

1)信仰の道に入られたきっかけは?

牧師家庭に生まれましたので、自覚なしに洗礼を受けていました。

 

2)司祭職に就かれてからの思い出は?

教会は居酒屋に似たところがあります。いろいろな人が自由に出入りできる場所だからです。社会的に重要な地位にある方から日雇いの労働者の方、高学歴の方から字も読めない方、さらには性的少数者、在日、滞在労働者など、さまざまな立場、経歴の持ち主、また多様な文化や宗教の信仰者など、幅広く多くの方々と良き出会いがあったことが私の人生を豊かにしてくれたと感謝しています。苦労したことは、教会教育です。今も聖公会では教会教育が欠けており、洗礼・堅信の準備が終わるとほとんどの方が信仰についての学びの機会を持っていません。例えば「宣教」という言葉が盛んに言われますが、「宣教」についての学びが欠けているため共通理解が出来ていなのが現状だと思います。

3)今まで信仰を堅持することが出来た秘訣は?

そのようなものはありません。信仰というのは常に刷新されていくものです。「仮にわたしの信仰はこれで良い」と思っておられるとすると、それが信仰からの逸脱の第一歩だと心すべきです。

4)信徒へのメッセージをお願いします。

常々感じていることですが、私の知る限り、おそらく昇天教会ほど信仰が代々にわたって継承されている教会はないのではないかと思っています。多くの教会では家族に信仰を継承できないという悩みを抱えています。でも信仰というのは生き物です。生き物というのは、常に成長し変化しているという意味です。かつて教わったことが今では大きく変化していることがたくさんあります。ですから先に書いたように常に教会教育が求められるのです。その学びによって福音理解が深められるよう願っています。

5)最後に

 コロナ禍において今回の編集依頼は郵送でのお願いとなりました。8月中旬の暑い季節に編集回答を頂きましたにも関わらず、掲載日が10月末となりましたことを恐縮しております。角瀬司祭には、今年(2020年)の6月に当教会で開催が予定されていました「公開の伝道集会(聖公会信徒、聖職関係者、近隣の皆様が例年多数参加)にご登壇頂く予定でしたが、コロナ禍で集会が中止となり講演内容を残念ながら拝聴する事が叶いませんでした。そうした状況の中、ご本人から連絡を頂戴し、当日予定されていた内容(タイトル「野の花を見なさい」サブタイトル「現代人のわすれもの」)を冊子として編集された全文をご寄贈頂く事になりました。貴重な資料を当教会にご寄贈頂きましたことを心より感謝申し上げます。(7月以降の月報で連載中です。)

また、角瀬司祭は奥様とともに、祈祷書の勉強会資料「A&J」を発刊されておられます。感染対策のため文章化されている資料は、今年(2020年)の3月から大阪十三の「(聖公会)聖贖主教会(せいあがないぬしきょうかい)」で計画されていた勉強会が中止となった為に発刊されている内容だそうです。ご退職されてからもなお今の時代の宣教活動に自ら使命感をもって精力的に活動されるお姿に信徒の一員として非常に感銘を受けることが出来ました。今後の角瀬司祭のご活躍とご健康を心よりお祈り申し上げます。(2020年10月25日)

2019年6月30日(日)
シアトル聖ペテロ教会にて
最前列左端に抱かれているのが角瀬司祭。洗礼式後の人生最初の写真。